「感情は心の問題だ」——そう思っていませんか?
悲しいから涙が出る。怖いから心臓がドキドキする。腹が立つから顔が熱くなる。
こう考えると、感情はまず「心」で生まれて、その後に身体が反応するという順番に見えます。
でも、これは逆なんです。
現代の脳科学・神経科学が明らかにしているのは、感情の発生順序はこうだということです。
出来事 → 身体が先に反応する → 脳がその反応を「感情」として解釈する
この順序の違いが、感情の問題に長年悩んでいる人が「変わらない理由」と、「変わるための鍵」の両方を説明しています。
「感情は身体が作っている」——脳科学が示すこと
神経科学者のリサ・フェルドマン・バレット博士は、著書『情動はこうしてつくられる』の中で、感情は脳が「予測」として構築するものだと述べています。
脳は過去の経験をもとに、今この瞬間に「何が起きているか」を予測し続けています。そして身体の内部状態(心拍・呼吸・筋肉の緊張など)を読み取りながら、それに「怒り」「不安」「恐怖」といったラベルを貼って「感情」を作り出す。
つまり感情は、心が独立して生み出すものではなく、身体の状態を脳が解釈したものなんです。
もう少し具体的に言うと、こういうことです。
あなたが過去に、ある場面で強いストレスや恐怖を経験したとします。そのとき身体には、心臓の激しい鼓動、胸の締めつけ、胃のざわつきといった感覚が生じていた。
脳はその体験を記憶します。「この状況=危険」という予測として。
そして次に似たような状況なると、脳は過去の体験をした時と同じ身体の反応をします。
心臓がドキドキし、胸が締めつけられ、胃がざわつく、
それを脳が「不安」「恐怖」として解釈しています。
これが感情のメカニズムです。
「考えても変わらない」のはなぜか
このメカニズムを知ると、一つの疑問が解けます。
「ポジティブに考えよう」「気にしないようにしよう」「自分を信じよう」
こういった心への働きかけが、なぜ根本的な解決につながりにくいのか。
理由は明確です。
感情は「考え方」から生まれているのではなく、身体の反応から生まれています。
思考(大脳皮質)の働きは、身体の反応(扁桃体や自律神経)より後に来ます。身体がすでに「危険信号」を発している状態で、思考レベルで「大丈夫」と言い聞かせても、その信号は止まりません。
これは意志の力や精神力の問題ではありません。脳と身体の構造上、そういう順番になっているんです。
扁桃体がどのように感情反応を生み出しているか、より詳しくはこちらの記事で解説しています。
身体が「記憶」を持っている
感情が繰り返される理由を理解するうえで、もう一つ重要なことがあります。
それは、脳が記憶する感情体験は「出来事の内容」だけでなく、そのときの身体感覚ごとセットで記憶されている、ということです。
たとえば、過去に人前で失敗したとき、あなたの身体は胸が締めつけられ、手に汗をかき、喉が詰まる感覚を経験したかもしれない。
その感覚は「出来事の記憶」と一緒に身体に刻まれています。そして「人前に立つ」という状況が来るたびに、身体はその記憶をと同じ反応を再現しようとします。
これが「あがり症が何年経っても変わらない」「パニックが繰り返される」「同じシチュエーションでまた同じ感情が湧いてくる」という現象の正体です。
身体は、まるで「このときはこう反応しなければならない」と覚えてしまったかのように、自動的に同じ反応を起動させます。
「変わる」ために必要なのは、身体へのアプローチ
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「じゃあ、どうすればいいの?」
答えはシンプルです。
心ではなく、身体にアプローチする。
感情が身体の反応から生まれているなら、変えるべきは身体の反応です。心を変えようとするのではなく、身体が「この状況は危険ではない」と学び直せるようにする。
具体的には、感情が生じたときに身体に現れる感覚——胸の締めつけ、胃のざわつき、心臓のドキドキに意識を向けることで、脳はその感覚を「今この瞬間」の視点から見直し、古い記憶の予測を書き換えていきます。
これは、神経科学における「記憶の再固定化」と呼ばれるプロセスに基づいています。一度記憶された感情反応も、適切なアプローチによって書き換えることができる——これが脳科学の示す希望です。記憶の再固定化のメカニズムについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
EmRes(エムレス)は、まさにこのプロセスを活用したメソッドです。考えることや言語化をほとんど必要とせず、身体の感覚に意識を向けるだけで、繰り返してきた感情反応のサイクルを根本から変えていきます。
薬やカウンセリングなど他のアプローチとEmResがどう違うのかは、こちらの比較記事で詳しく説明しています。
感情は「弱さ」ではなく「身体の記憶」
感情の問題で悩んでいる方に、一番伝えたいことがあります。
それは、感情がコントロールできないのは、あなたの心が弱いからでも、精神力が足りないからでもない、ということです。
それは身体が、過去の体験から「こう反応しなければならない」と学んでしまっているから。
心にいくら働きかけても変わらないのは、当然のことです。感情は身体が作っているから。
でも、身体からアプローチすれば、変わることができます。
「何をやっても変わらなかった」と感じている方ほど、ぜひ一度、身体の側から考えてみてほしいんです。
7日間の無料メール講座
感情が「身体」から生まれる仕組みと、EmResのアプローチを7日間のメールで無料でお伝えしています。
読むだけで、自分の不安や感情の反応を「身体の問題」として見られるようになりますよ。
7日間無料メール講座に登録する
20分の無料相談、受け付けています
「自分の場合はどうなの?」「どんなことをするの?」
そんな疑問も、無料相談でお気軽にどうぞ。
オンライン対応|全国から受けられます
無料相談のお申し込みはこちら
樋渡 旭(Hiwatari Akira)
EHI認定エムレス(EmRes®)インストラクター/施術士
現役パーソナルトレーナー。「身体と感情の両方を扱える専門家」として、パニック障害・不安障害・HSPによる生きづらさなど300名以上のサポートを行う。
東京・千代田区(半蔵門・麹町駅徒歩4分)/オンライン全国対応



