薬・カウンセリング・EmRes、何が違うのか|感情の問題に対するアプローチを比較する

不安やパニック、感情のコントロールに悩んで、いろいろな方法を試してきた方は多いと思います。

精神科・心療内科の薬。カウンセリング。認知行動療法。ヨガや瞑想。自己啓発。

それぞれに効果がある場面はあります。でも「試したけれど、根本的には変わらなかった」という声もよく聞きます。

なぜそうなるのか。それぞれのアプローチが「何に働きかけているか」を整理すると、見えてくるものがあります。

📋 この記事でわかること

  • ① 薬・カウンセリング・認知行動療法・EmRes、それぞれが何に働きかけているか
  • ② 「色々試したのに変わらなかった」が起きる構造的な理由
  • ③ EmResが他のアプローチと根本的に異なる点

前提:感情はどこから生まれるか

各アプローチの違いを理解するために、まず感情がどのように生まれるかを確認しておきます。

脳科学的に見ると、感情はこの順番で生まれます。

出来事 → 身体の反応(心臓のドキドキ・胸の締めつけ・胃のざわつきなど)→ 感情

感情は「心(思考)」が作るのではありません。まず身体が反応して、その反応を脳が「怒り」「不安」「恐怖」と認識することで、感情として現れます。

そして身体は、過去の体験をもとに「この状況ではこう反応する」という記憶を持ちます。似た状況が来ると、身体は自動的にその記憶を再現します。

これが「同じ場面で何度も同じ感情が出てくる」仕組みです。

この構造を踏まえて、各アプローチを見ていきます。

薬(精神科・心療内科)

抗不安薬・抗うつ薬・睡眠薬など、脳内の神経伝達物質に働きかけることで症状を緩和します。

何に働きかけるか:脳内の化学的バランス。症状そのもの(不安・抑うつ・不眠など)を薬理的に抑える。

効果のある場面:症状が強くて日常生活が困難なとき、まず「落ち着ける状態を作る」ために有効です。緊急の消火として機能します。

限界:身体が覚えてしまった記憶自体には働きかけません。薬が切れると記憶はそのまま残っているため、同じ状況で同じ反応が戻ってきやすい。長期服用が必要になるケースも多くあります。

カウンセリング(支持的心理療法)

カウンセラーとの対話を通じて、気持ちを言語化し、整理していく方法です。

何に働きかけるか:感情の言語化・自己理解。「自分がどう感じているか」を整理することで、心理的な負担を和らげる。

効果のある場面:「誰かに話を聞いてもらいたい」「自分の気持ちを整理したい」「一人で抱え込んでいる」という状況では大きな支えになります。

限界:感情を言語化することと、身体の反応を変えることは別のことです。「なぜ自分がそう感じるかはわかった。でも状況が来るとやっぱり反応してしまう」という状態が続くことがあります。

認知行動療法(CBT)

「考え方のクセ(認知の歪み)」を修正することで、感情や行動を変えようとする心理療法です。

何に働きかけるか:思考パターン。「自動思考」を見直し、より現実的な考え方に修正する。

効果のある場面:思考のクセが強い場合や、行動の修正(回避行動を減らすなど)には有効です。エビデンスも豊富にあります。

限界:感情を生み出しているのは「思考」ではなく「身体の反応」です。考え方を変えても、身体が覚えてしまった記憶は変わりません。「頭ではわかった。でも身体はまだ反応してしまう」というケースで行き詰まりやすい。

EmRes(エムレス)

フランスとアメリカで共同開発された感情解決メソッドです。感情を生み出している身体が覚えてしまった記憶に、身体のレベルから直接アプローチします。

何に働きかけるか:身体が覚えてしまった記憶そのもの。「出来事 → 身体の反応 → 感情」の連鎖のうち、「身体の反応」の部分を変える。

アプローチの仕組み:感情が浮かぶ状況を思い浮かべながら、身体の中に現れる感覚(胸の締めつけ、心臓のドキドキ、胃のざわつきなど)に意識を向けます。感覚に「抑える・消す」ことはせず、ただそこにあるものとして感じていく。すると身体の感覚がゆっくり変化し、次第に記憶に対して体が反応しなくなっていきます。

結果として起きること:同じ状況に遭遇しても、身体がそれほど強く反応しなくなります。感情を「我慢する」のではなく、そもそも強く反応しない身体になっていく。

「色々試したのに変わらなかった」が起きる理由

各アプローチが「何に働きかけるか」を整理すると、こうなります。

アプローチ 働きかける対象 身体の記憶への直接作用
脳内の化学バランス なし(症状を薬理的に抑える)
カウンセリング 感情の言語化・自己理解 なし(理解を深めるが反応は変わらない)
認知行動療法 思考パターン なし(考え方は変わるが身体反応は残る)
EmRes 身体が覚えてしまった記憶 あり(記憶の強度を身体レベルから更新)

薬・カウンセリング・認知行動療法は、どれも「感情が出た後」、または「感情を生む前の思考」に働きかけます。

でも感情を繰り返し生み出しているのは、身体が覚えてしまった記憶です。

そこに直接届いていないから、「状況が変わるとまた元に戻る」「薬が切れると戻る」「頭ではわかったけど身体が反応する」という経験が起きます。

「色々試したのに変わらなかった」のは、あなたの努力が足りなかったのではありません。アプローチが、思考に対してアプローチをしていたからになります。

EmResが向いている人、向かない場合

EmResはすべての悩みに対応できる万能なアプローチではありません。整理しておきます。

EmResが力を発揮しやすい悩み:
不安・パニック・予期不安・恐怖症・感情のコントロール・怒りやイライラの繰り返し・人間関係での疲れ・HSPによる生きづらさなど、「身体の反応が感情を作っている」ケース。

薬や他のサポートが必要な場面:
症状が非常に強く、日常生活が送れない状態では、まず医療的なサポートで「落ち着ける状態を作る」ことが優先です。EmResはその後、または並行して活用できます。

EmResで扱わない領域:
医療的な診断・治療が必要な疾患の治療行為は行いません。必要に応じて医療機関との併用をお勧めしています。

迷ったらまず話を聞かせてください

「自分の場合はどのアプローチが合うのか」「EmResで変わるものなのか」——こういった疑問は、実際の状況を聞かないと答えられないことも多くあります。

まずは20分の無料相談で、今の状況をお聞かせください。EmResが合うかどうかも含めて、一緒に考えます。


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樋渡 旭(Hiwatari Akira)
EHI認定エムレス(EmRes®)インストラクター/施術士
現役パーソナルトレーナー。「身体と感情の両方を扱える専門家」として、パニック障害・不安障害・HSPによる生きづらさなど300名以上のサポートを行う。
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