
前回の記事では、人間関係で疲れやすいのは性格の問題ではなく、身体が覚えてしまった記憶によるものだとお伝えしました。人と会うたびに胸がざわついたり、胃がきゅっとなったりするのは、その記憶が自動的に動き出しているサインです。
では、「気にしないようにしよう」「マインドフルネスで落ち着こう」「カウンセリングで原因を探ろう」といった対処法を試してきた方も多いと思います。なぜそれらでは根本的に変わりにくいのでしょうか。
この記事では、よく知られている対処法の特徴と限界を整理したうえで、エムレスがどこで違いを生み出しているかを解説します。
📋 この記事でわかること
① 「気にしない」「ポジティブに考える」が続かない理由
② カウンセリングやマインドフルネスが届かない場所がある理由
③ 各アプローチが「どこに働きかけているか」の違い
④ エムレスが他のアプローチと根本的に異なる点
「気にしないようにしよう」はなぜ続かないのか
人間関係で疲れたとき、多くの方がまず試みるのが「気にしないようにしよう」という意識的な努力です。「もっと図太くなろう」「深く考えすぎないようにしよう」と自分に言い聞かせる。
でも、これがなかなか続かない。その理由は、前回お伝えしたメカニズムにあります。
人間関係の疲れは、脳の扁桃体が人の場を「注意が必要」と判断し、身体が自動的に警戒モードに入ることで起きています。この反応は意識よりも速く、「気にしないようにしよう」と思うより先に、すでに身体は反応し終えています。
意識で「気にしない」と思っても、身体はすでに緊張している。この状態で「気にしないようにしよう」と努力するのは、走っている車にブレーキをかけながらアクセルを踏み続けるようなものです。エネルギーを消耗するだけで、走り方自体は変わりません。
よくある対処法と、それぞれの限界
「気にしない」以外にも、さまざまなアプローチが知られています。それぞれが「どこに働きかけているか」という視点で整理してみます。
① ポジティブ思考・認知の書き換え
「相手は悪意があるわけじゃない」「自分の思い込みかもしれない」と考え方を変えようとするアプローチです。認知行動療法(CBT)もここに含まれます。
▷ 限界:考え方を変えることはできても、身体が覚えてしまった記憶そのものは変わりにくいため、同じ状況でまた同じように心臓のドキドキや胸の締めつけが出てしまいます。「頭では分かっているのに、どうしても緊張してしまう」という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
② マインドフルネス・瞑想
今この瞬間に意識を向け、感情や思考を「ただ観察する」ことで、反応に振り回されにくくする練習です。
▷ 限界:継続的な練習によって「観察する力」は育ちますが、身体が覚えてしまった記憶そのものを直接変えるものではありません。練習中は落ち着いても、実際の人間関係の場ではまた同じように反応してしまうことがあります。
③ カウンセリング・心理療法
過去の経験や思考パターンを言葉で掘り起こし、自己理解を深めることで感情との付き合い方を変えていくアプローチです。
▷ 限界:自己理解が深まることはとても大切です。ただ、「なぜそうなったか」が分かっても、身体が覚えてしまった記憶はそのまま残っていることがあります。また、過去のつらい体験を詳しく話すことで、一時的に状態が悪化することもあります。
④ 薬物療法
不安や緊張を和らげる薬を使うことで、症状をコントロールするアプローチです。
▷ 限界:症状を和らげる効果はありますが、身体が覚えてしまった記憶そのものを変えるものではないため、服薬をやめると症状が戻りやすいという側面があります。
「どこに働きかけるか」が根本的に違う
これらのアプローチに共通しているのは、感情や思考、あるいは症状に対して働きかけているという点です。
一方、前回の記事でお伝えしたとおり、人間関係の疲れの発生順序はこうです。
出来事・状況 → 身体の反応(自動) → 感情・思考 → 疲れ・消耗
感情や思考が出てきた「あと」から働きかけるアプローチは、発生源には届いていません。だから努力しても根本的には変わりにくい、という状態が続くのです。
従来のアプローチ
感情が出てから「抑える」「書き換える」「観察する」
→ 身体が覚えてしまった記憶はそのまま残る
→ 同じ状況でまた同じように反応する
エムレスのアプローチ
感情が生まれる前段階、身体が覚えてしまった記憶に働きかける
→ 同じ状況でも身体の反応が変わっていく
→ 結果として感情の出方が変わる
エムレスが「発生源」に直接届く理由
エムレス(EmRes® / Emotional Resolution)は、感情が生まれる前の段階、つまり身体が覚えてしまった記憶に直接アプローチするメソッドです。
具体的には、人間関係で疲れやすい場面を頭に思い浮かべたとき、身体のどこかに感覚が出ていないかを確認します。胸のざわざわ、肩の緊張、胃の締まり——人によってどこにどんな感覚が出るかは異なります。
エムレスでは、その身体の感覚にそっと意識を向け、変化を待ちます。「抑えようとしない」「原因を分析しない」——ただ感じるだけです。これだけで、脳と身体が自然に身体の記憶を更新していきます。
他のアプローチと大きく異なる点が2つあります。ひとつは、過去のつらい体験を詳しく話す必要がないこと。もうひとつは、1回のセッション中に変化を感じる方が多いことです。「何年も悩んできたのに、こんなに早く変わるの?」という声をよく聞きます。
まとめ:アプローチが変わると、結果も変わる
努力しても変わらないのは、意志が弱いからでも、症状が重いからでもありません。働きかける場所が、変えたい部分に届いていなかっただけかもしれません。
身体が覚えてしまった記憶という発生源に直接働きかけることで、同じ状況でも以前ほど胸のざわつきや胃の締めつけが起きにくくなっていく——そのための具体的なステップについては、次の第3回でお伝えします。
※効果には個人差があります。
📚 このシリーズの記事一覧
▶ 第2回:一般的な対処法が効かない理由とエムレスの違い(比較編)← 今この記事
第4回:身体が覚えた記憶が変わると、人間関係が変わる(解決編)
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樋渡 旭(Hiwatari Akira)
EHI認定エムレス(EmRes®)インストラクター/施術士
現役パーソナルトレーナー。「身体と感情の両方を扱える専門家」として、パニック障害・不安障害・HSPによる生きづらさなど300名以上のサポートを行う。
東京・千代田区(半蔵門・麹町駅徒歩4分)/オンライン全国対応



